付属池田小学校の事件で、けがを負った会社員の源(みなもと)華月(かづき)さん(28)=大阪府池田市=は当時のことを周りに話さず過ごしてきた。でも一度だけ、同世代の学生の前で事件を語り、胸の内を打ち明けたことがある。傷ついた人への接し方を知ってほしいとの思いからだ。
20年前のあの日、休み時間になり、教室の後ろで立っていた。サッとそばを男が通り過ぎた。右脇に熱を感じ、両手で押さえていた。
「ここにいちゃいけない」。階段をヨタヨタと上り、2階の4年生の教室の前の廊下で倒れた。右脇がドクドクし、痛みが走る。「眠ったら死んじゃう」と思った。病院に搬送される救急車の中で救急隊員らに尋ねた。「助かりますか」
入院先の病院に毎日、母親は…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル